日本眼光学学会
OCT講習会2021
昨年に引き続き、2021年もOCT講習会を開催致します。
光干渉断層計 (Optical Coherence Tomography, OCT) は非接触・非侵襲に生体の断層画像を撮影できる技術で、様々な応用が開発されてきました。とりわけ眼科においては必要不可欠なツールとなり、現在では多数のOCT装置が開発・商品化されています。また、基礎研究用としても重要なツールであり、OCT技術に対するニーズは高まるばかりです。
OCTを臨床診断でどのように活用できるか?については、数多くの眼科医・眼科研究者の先生方の継続的なご尽力により、学ぶ機会が比較的多く設けられております。一方で、OCT技術についてはどうでしょうか。OCT産業の発展に伴い、OCTに何らかの形で携わる技術者は増える一方ですが、その技術について本当の基礎から理解している技術者は、どの組織においてもほんの一握りなのではないでしょうか。また、OCTを必ずしも専門としない理工系の研究者がOCTをツールとして活用しようとする際、専門外とはいえOCT技術の基礎をある程度知っておかないと、どうしても活用の度合いは制約されてしまうでしょう。これらの背景として、OCTが複数の高度な技術の集合体で成り立っていることが挙げられます。どれか一つの要素技術だけ知っていても、全体は掴めません。少しずつでも、様々な要素技術に対する理解を深めていくことが重要です。
このOCT講習会では、主として理工系の学生・研究者、および企業開発者を対象として、OCT技術の基本を学んでいただきます。とくに、OCTに関わる仕事をしている・OCTに興味があるものの、OCT技術の基礎を学ぶ機会がなかなか無い方を想定したプログラムにしております。眼科OCTを念頭に置きますが、眼科以外の分野に対しても技術的な基礎は共通しますので、参考になるはずです。また、もちろん、医師や視能訓練士、医療従事者で技術に興味ある方々のご参加も歓迎です。
開催は計3日間の完全オンライン、ウェビナー形式です。さらに、開催後一定期間は録画をオンデマンド配信する予定です。
また、今回は海外からも著名な研究者をお招きしご講演頂きます。James G. Fujimoto 先生はOCTの共同発明者の一人であり、30年に渡り世界のOCT研究開発をリードなさってきたOCTの第一人者です。Ruikang K. Wang 先生はOCT Angiography の目覚ましい発展に大きく寄与された先生です。Christopher Leung 先生はOCTによる緑内障診断および研究を活発に行っていらっしゃる clinician-scientist です。今回、英語が苦手な方にも配慮した配信を予定しております。ぜひお楽しみください。
学生は参加費無料、それ以外の方々は若干の参加費を頂きます。ご参加の間口を広げるため、スポンサー企業からのご寄付と幹事・学会員のボランティア貢献によって、できるだけ低額としております。何卒御理解頂きまして、奮ってご参加をお待ちしております。
開催概要
主催
日本眼光学学会
協賛
日本光学会
OCT講習会2021テーマ
エキスパートから学ぶOCT 基礎から臨床まで
対象
主として理工系の学生・研究者、企業開発者。とくに、OCTに関わる仕事をしている・OCTに興味があるものの、OCTの基礎を学ぶ機会がなかなか無い方。
目的
OCTの基礎をやさしく学んで頂くことで、技術スキル・理解のレベルアップを図る。これにより国内の眼科OCT業界活性化の一助とする。
日程
1日目 2021年10月5日(火)17:00~20:20
"OCT技術の基礎"
2日目 2021年11月8日(月)17:00~20:20
"基礎と臨床を通じて学ぶOCTの役割"
3日目 2021年12月7日(火)09:00~11:00
"Learn the basics and the latest research from world's experts"
方法
Zoom Webinarによる完全オンライン開催。また、開催後に期間限定で参加登録者へ録画をオンデマンド配信。
参加費
全日程通しで1人あたり3,600円(一般)、3,000円(眼光学学会会員・企業会員、協賛学会会員)。学生は無料。
幹事
山成正宏(トーメーコーポレーション)、秋葉正博(トプコン)、安野嘉晃(筑波大学)
プログラム
1日目 "OCT技術の基礎"
時期:2021年10月5日(火)17:00~20:20
演題
「OCTの歴史と今後のトレンド」 秋葉正博(トプコン)
「OCTの原理:なぜそうなっているかを理解する」 山成正宏(トーメー)
「OCTの信号処理・画像処理」 巻田修一(COG筑波大)
「OCTの画像処理:深層学習による飛躍と革新」 柴涼介 (ニデック)
2日目 "基礎と臨床を通じて学ぶOCTの役割"
時期:2021年11月8日(月)17:00~20:20
演題
「冠動脈OCTの技術と応用」 平健二 (デラウェーブ)
「前眼部OCTの基本:細隙灯顕微鏡からOCTへの進化」 前田直之 (湖崎眼科・大阪大学)
「眼科機器と臨床現場での実際:臨床医が求めるのは何か」 渥美一成 (セントラルアイクリニック)
「OCT顕微鏡と拡張する測定装置の役割」 安野嘉晃 (COG筑波大)
3日目 "Learn the basics and the latest research from world's experts"
時期:2021年12月7日(火)09:00~11:00
演題
"Optical Coherence Tomography: History, Evolution and Future Prospects" by Prof. James Fujimoto (MIT)
"OCT Angiography: how it works, has progressed, and has spread out for clinical use" by Prof. Ruikang Wang (Univ. Washington)
"If it were not for OCT in glaucoma diagnosis today: how and why it is important" by Prof. Christopher Leung (Univ. of Hong Kong)
Sponsors
五十音順、敬称略
次回以降のOCT講習会スポンサー参加にご興味ある企業様がいらっしゃいましたら、下記問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。